慢性中耳炎の手術

慢性中耳炎(慢性単純性中耳炎、癒着性中耳炎)の治療方法を、手術療法も含めてご説明します。

慢性中耳炎の治療方法

慢性中耳炎の治療方法は、耳漏を改善するための保存療法と難聴を改善するための手術療法に大きく分けられます。

保存療法

保存療法まず耳漏菌検査を施行し、感染した細菌を同定します。
耳漏を吸引し、耳内の清浄化を計ることはもちろん、同定された菌に合わせ、抗菌薬を使用し、耳漏の完全停止を行います。

手術療法

手術療法鼓膜に異常が生じたままでは、耳漏、難聴を改善するため手術が必要となります。
パッチテストと呼ばれる方法で一時的に鼓膜の穴を塞ぐなどした状態で聴力が改善するかどうかを確認します。その結果、改善が確認された場合には原因が鼓膜だけにあり、一方で改善が確認されなかった場合には耳小骨などにも異常が生じている可能性があると判断されます。
当院では、慢性中耳炎完治率の高い鼓室形成術を主に施行しています。合併症等にて鼓室形成術が施行不能な症例が稀にあり、その時はやむおえず鼓膜形成術を行います。

鼓膜形成術(日帰り手術対応)

慢性中耳炎による難聴の原因が鼓膜にだけある場合の手術に、鼓膜形成術が選択されることもあります。
当院ではこの手術を、日帰りにて行っております。
手術は局所麻酔下で行われ、通常は耳後部から鼓膜の代わりとして張りつけるための皮下組織を採取するところから始まります。その後、採取後に形の整えられた皮下組織で鼓膜に開いた穴を塞いで接着し、手術は終了します。
所要時間は通常30分程度となります。

鼓室形成術(日帰り手術対応)

当院ではこの手術を日帰りで行っております。
手術用顕微鏡下に鼓室形成を行います。耳後部を切開し、外耳道後壁の皮膚を剥ぎ上げ、鼓膜輪より鼓膜を2層に剥ぎ、採取した側頭筋膜を剥ぎ上げた鼓膜上皮層と粘膜層の間に、挟み込みます。そして、剥ぎ上げた外耳道後壁の皮膚を戻し、鼓膜を再建します。鼓室内の処置は、適宜ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨を再建します。
所要時間は通常1時間程度となります。

慢性中耳炎の手術費用 3割負担の方

下記手術療法には保険診療が適用されます。
だいたい生命保険・入院保険の対象になっています。

鼓膜形成術(片耳) 約54,000円
鼓室形成術(片耳)耳小骨 温存手術 約103,980円
鼓室形成術(片耳)耳小骨 再建術 約153,990円
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