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耳鼻咽喉科・アレルギー科
鹿児島中央駅耳鼻日帰り手術クリニック

鹿児島県鹿児島市武1-2-10
JR鹿児島中央ビル3階

TEL: 099-201-8733
ハナミミ

慢性中耳炎

慢性中耳炎とは

慢性中耳炎とは、急性中耳炎が再発を繰り返すなどして中耳内の炎症が慢性化し、それに伴い鼓膜にまで何らかの障害がおよんだ状態を特徴とする病気です。主に大人に発症し、難聴や耳漏(耳だれ)が生じます。
鼓膜に穴が開いて塞がらなくなる慢性単純性中耳炎や、鼓膜が中耳の内壁に張りついてしまう癒着(ゆちゃく)性中耳炎などの種類に分けられます。

慢性単純性中耳炎

鼓膜に穴が開いて自然には塞がらなくなった状態を特徴とする慢性中耳炎です。
鼓膜に穴が開いた状態が続くことで音の伝達が悪くなり、難聴が生じ、その穴が広がれば広がるほどに聞こえづらさも増していきます。また、鼓膜に穴があることで細菌やウイルスなどの病原体が中耳内へと侵入しやすい状態が続き、そのせいで感染が引き起こされるたびに耳漏が繰り返されます。

癒着性中耳炎

中耳内の鼓膜が中耳の内壁に張りついてしまう慢性中耳炎です。
鼓膜が内陥、癒着することで、耳小骨連鎖が破壊され、比較的強い難聴が生じます。

慢性中耳炎の原因

慢性単純性中耳炎の原因

慢性単純性中耳炎の原因

慢性中耳炎の多くは、しっかりと完治させなかった急性中耳炎が長期にわたって持続したり再発を繰り返したりして、中耳内の炎症が慢性化することで発症します。それに加えて、副鼻腔炎や鼻炎など耳管の働きを低下させる何らかの病気の存在が慢性化を助長しているケースも少なくありません。例えば、急性中耳炎で耳漏が発生した際に開いた鼓膜の穴は、ほとんどの場合、鼓膜の本来持つ高い再生力によって自然に塞がります。しかし、塞がる前に耳漏が繰り返されると、やがて穴の開いた状態が常態化してしまい、慢性単純性中耳炎が発症します。

癒着性中耳炎の原因

内陥した鼓膜と炎症で傷ついた鼓室内粘膜が引っ付くと癒着性中耳炎を発症します。

慢性中耳炎の症状

慢性中耳炎の典型的な症状は鼓膜穿孔と難聴、耳漏です。一方、急性中耳炎のような耳の痛みや発熱はあまり生じません。

難聴

音が聞こえにくい状態を総じて難聴といい、難聴は外耳や中耳における音の伝達異常が原因の伝音性難聴と、内耳やそれ以降における神経の異常が原因の感音性難聴に大きく分けられます。
慢性中耳炎では、鼓膜穿孔による難聴と遷延化した炎症のため耳小骨連鎖の可動性制限が起き伝音性難聴が生じます。ただし、炎症が内耳にまでおよぶと、より重症度が高く治療の難しい感音性難聴へと進展したり、耳鳴りを引き起こすこともあるので注意が必要です。

耳漏

慢性中耳炎では中耳内に発生した炎症によって、分泌された液が細菌やウイルスといった病原体の感染によって膿性になり、耳漏となります。

慢性中耳炎の治療方法

慢性中耳炎の治療方法は、耳漏を改善するための保存療法と難聴を改善するための手術療法に大きく分けられます。

保存療法

まず耳漏菌検査を施行し、感染した細菌を同定します。
耳漏を吸引し、耳内の清浄化を計ることはもちろん、同定された菌に合わせ、抗菌薬を使用し、耳漏の完全停止を行います。

手術療法

鼓膜に異常が生じたままでは、耳漏、難聴を改善するため手術が必要となります。
パッチテストと呼ばれる方法で一時的に鼓膜の穴を塞ぐなどした状態で聴力が改善するかどうかを確認します。その結果、改善が確認された場合には原因が鼓膜だけにあり、一方で改善が確認されなかった場合には耳小骨などにも異常が生じている可能性があると判断されます。
当院では、慢性中耳炎完治率の高い鼓室形成術を主に施行しています。合併症等にて鼓室形成術が施行不能な症例が稀にあり、その時はやむおえず鼓膜形成術を行います。

鼓膜形成術(日帰り手術対応)

慢性中耳炎による難聴の原因が鼓膜にだけある場合の手術に、鼓膜形成術が選択されることもあります。
当院ではこの手術を、日帰りにて行っております。
手術は局所麻酔下で行われ、通常は耳後部から鼓膜の代わりとして張りつけるための皮下組織を採取するところから始まります。その後、採取後に形の整えられた皮下組織で鼓膜に開いた穴を塞いで接着し、手術は終了します。
所要時間は通常30分程度となります。

鼓室形成術(日帰り手術対応)

当院ではこの手術を日帰りで行っております。
手術用顕微鏡下に鼓室形成を行います。耳後部を切開し、外耳道後壁の皮膚を剥ぎ上げ、鼓膜輪より鼓膜を2層に剥ぎ、採取した側頭筋膜を剥ぎ上げた鼓膜上皮層と粘膜層の間に、挟み込みます。そして、剥ぎ上げた外耳道後壁の皮膚を戻し、鼓膜を再建します。鼓室内の処置は、適宜ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨を再建します。
所要時間は通常1時間程度となります。

慢性中耳炎の手術費用 3割負担の方

下記手術療法には保険診療が適用されます。
だいたい生命保険・入院保険の対象になっています。

鼓膜形成術(片耳)約54,000円
鼓室形成術(片耳)耳小骨 温存手術約103,980円
鼓室形成術(片耳)耳小骨 再建術約153,990円