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耳鼻咽喉科・アレルギー科
鹿児島中央駅耳鼻日帰り手術クリニック

鹿児島県鹿児島市武1-2-10
JR鹿児島中央ビル3階

TEL: 099-201-8733
ハナミミ

花粉症の原因と症状

花粉症について

花粉症という名で広く知られる季節性アレルギー性鼻炎は、日本人の3人に1人が悩んでいるともいわれる病気で、今や国民病の様相さえ呈しています。
しかし、花粉症のようなアレルギーは体質に依存して起きるものであり、目下これを根治できるような薬は存在していません。したがって、その時々に応じて症状を予防したり抑え込んだりすることが治療の中心となります。また、その治療も、症状の程度によって必要とする方法がそれぞれに大きく異なる場合があります。
ここではその選択に役立てられるよう、日常的なセルフケアから入院を要することもある手術まで、花粉症の対策や治療方法を幅広くご紹介していきます。

花粉症対策(セルフケア)

生活環境下から原因となっている花粉を取り除いたり、花粉との接触を避けたりするセルフケアに努めることで、症状を軽減できる場合があります。そのためには、主に以下のような工夫が必要です。

  1. 花粉の飛散が多そうな日の外出はなるべく控えましょう
    スギ花粉の飛散時期には、TVなどの花粉情報で毎日の飛散状況をチェックすることができます。また、晴天の日、雨の降った翌日、風の強い日などは花粉の飛散量が特に多くなる気象条件といわれています。
    こうした飛散が多そうな日には不要不急の外出を控えるなどして、花粉と接触する機会を減らしましょう。

  2. 屋外ではメガネやマスクを着用しましょう
    屋外ではメガネやマスクを着用して、できるだけ花粉が体に侵入しないようにしましょう。
    一般的なタイプのものでも悪くはありませんが、目のまわりまでをしっかりとカバーするゴーグルタイプのメガネや、8~9割もの花粉の侵入を防ぐ花粉防止用として販売されているマスクの方がより確実な効果を期待できます。

  3. 花粉を家の中に持ち込まないようにしましょう
    外出先から帰宅したら、玄関先で髪や衣類から花粉を払い落としてから家に入るようにして、できるだけ家の中に花粉を持ち込まないようにしましょう。
    また、同様の目的で、洗濯物や布団を外に干すこともなるべく避ける必要があります。家の中で衣類や布団用の乾燥機を使うようにするのが理想ですが、外に干した際には家の中に取り込む前に花粉を払い落とすのを忘れないようにしましょう。

花粉症の薬物療法

花粉症の薬物療法は、服薬を開始する時期によって初期療法、導入療法、維持療法に大きく分けられます。
中でも最も効果が上がりやすいとされているのが、花粉が飛散し始める前から服薬を開始する初期療法です。症状が現れてから病院を訪れる方が大半を占める中で、初期療法をはじめとする事前の備えを怠らないような意識を持つことこそが、花粉症の症状軽減への近道となる可能性があります。

  1. 初期療法
    花粉症の薬は、花粉が飛散し始める前から服用を開始することで、より高い効果が得られやすいとされています。そこで、飛散シーズンに入る2週間ほど前から服薬を開始するのが初期療法です。それによりスムーズにシーズンへと突入し、シーズン中も服用を続けることで、しっかりと症状をコントロールしたままにシーズンを乗り切ることができるといわれています。
    当初は抗アレルギー薬の内服から始まり、花粉の量が増す時期にだけステロイド薬の内服または点鼻が追加されることもあります。

  2. 導入療法
    既に花粉の飛散シーズンに入り、花粉症による症状が現れ始めてから服薬を開始するのが導入療法です。初期療法は効果が上がりやすいとはいえ、実際にはこの導入療法の段階から治療を開始する方が大半を占めます。

  3. 維持療法
    初期療法や導入療法によって得た効果を維持するために行われるのが、文字通りの維持療法です。
    基本として抗アレルギー薬の内服を続けることで症状のコントロールを図りながら、コントロールを失いかけた際にはステロイド薬の内服または点鼻が追加されることもあります。

花粉症の手術療法

花粉症(または広くアレルギー性鼻炎)に対する手術療法は、主に以下のような方に適応されます。

  • 薬物療法を行っても十分な効果が得られず、引き続き生活に支障をきたすほどの症状に悩まされている方
  • 花粉が飛散している時期の症状はもちろんひどいが、していない時期にも症状が現れることの多い方
  • 特に鼻づまりがひどいという方
  • 何らかの事情で薬物療法を行えない、または行うことに抵抗のある方

こうした方への手術療法には主に以下のようなものが挙げられ、実際には症状やその程度などに応じて複数の療法を組み合わせて行われる場合もあります。

下鼻甲介粘膜焼灼術(外来レーザー手術)

下鼻甲介粘膜焼灼術(外来レーザー手術)

鼻の側面から下方向に伸びる3本の突起状の骨のうち、一番下のものを下鼻甲介(かびこうかい)といい、この下鼻甲介を覆う粘膜は鼻の穴の入口から近いせいでアレルゲンの侵入を受けやすいとされています。下鼻甲介粘膜焼灼術は、この下鼻甲介の粘膜をレーザーで焼灼(しょうしゃく)することで、粘膜下に繊維層を構築し、抗原暴露時抗酸球浸潤を防ぎ、アレルギー反応を抑える手術です。くしゃみや鼻水よりも鼻づまりに、より効果が期待できるとされています。局所麻酔下で行われる手術で通常20分程度で終了します。

花粉症にまつわる10のQ&A

 Q  花粉防止用として販売されているマスクにはどの程度の効果がありますか

 A  一般的なマスクの持つ花粉の侵入を防ぐ効果が5割程度であるのに対して、花粉防止用のマスクが持つ効果は8~9割にもおよぶとされています。
外出時の対策をより確実なものにしたい方にとって、重要なセルフケアアイテムの一つになります。


 Q  スギ花粉に加えてヒノキ花粉でもアレルギーが起きるようになりました。よくあることなのでしょうか

 A  スギ花粉症はスギ花粉の成分がアレルゲンとなって引き起こされます。そのアレルゲンに相似した成分がヒノキ花粉にも含まれているため、比較的多くの方に両花粉症の併発が認められます。
既にTVなどでもよく見られるスギ花粉情報に加えて、最近ではインターネットなどからヒノキ花粉情報を得られるケースも増えてきています。そうした情報を積極的に活用することで、両花粉への対策を徹底しましょう。


 Q  TVなどで見られるスギ花粉情報の上手な活用方法はありますか

 A  気象条件として晴天の日や雨の降った翌日、風の強い日などには特に多くなるといわれているなど、スギ花粉の飛散量は日によって大きく異なります。スギ花粉情報は、こうした飛散量を事前に予測して知らせてくれるものです。
したがって、その情報を参考にすることで、飛散が多そうな日には外出を延期したり、晴天でも洗濯物を室内に干したり、薬を飲んでおいたりといった対策をあらかじめ徹底しておくことが可能になります。


 Q  花粉症の薬を服用すると、眠くなったり、口が渇きます。そのような副作用が出ない薬はありませんか

 A  抗ヒスタミン作用のある薬は花粉症への効果が認められている一方で、眠くなる、口が渇く、尿が出にくくなるなどの副作用も確認されています。
しかし最近では、眠気などの副作用の全くない抗ヒスタミン薬が開発されました。


 Q  点鼻薬の種類や注意点を教えてください

 A  点鼻薬として処方されることのある花粉症の薬には、抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエーター遊離抑制薬、血管収縮薬、ステロイド薬などが挙げられます。
いずれにしても、薬の服用にあたってはしっかりと医師の指示や用法用量を守ることが大切です。


 Q  現在、妊娠を希望しているのですが、花粉症の治療に支障はありますか

 A  一般的に妊娠中はアレルギー反応が強く出る傾向にある一方で、特に妊娠4ヶ月程度までは服薬を避けることが望ましいとされています。また、5ヶ月以降は点鼻薬なら可能とされてはいますが、なるべくなら避けた方が安全であることに変わりはありません。
そこで、妊娠前にレーザー手術を受けて、あらかじめ鼻の中をアレルギー反応が起こりにくい状態にしておくという方法が考えられます。レーザー手術なら大きな負担もなく比較的短時間で受けられる上、手術後は症状の程度や薬への依存度に軽減が見られる場合が少なくありません。


 Q  スギ花粉症の場合、レーザー手術を受けるのに最適の時期はいつ頃ですか

 A  レーザー手術自体はもちろん年間を通して受けることができますが、花粉症の場合には基本的にその花粉の飛散がない時期に行うのが理想とされています。したがって、スギ花粉症なら夏のうちにレーザー治療をしましょう。


 Q  鼻の穴の仕切りが曲がっていると指摘され、そのせいでレーザー手術は難しいと言われました。別の方法を考えるべきでしょうか

 A  鼻中隔弯曲症の方でもレーザー手術はできます。


 Q  レーザー手術を受けるための手順を教えてください

 A  診察により、レーザー手術の適否を決めます。適応のある方は手術日を決めて、手術室で日帰りで施行します。


 Q  レーザー手術を受けた後、鼻の状態はどのような経過をたどりますか

 A  手術後、焼灼に対する致し方のない反応として、鼻の粘膜には腫れや滲出液が生じ、それにより2~3日の間は鼻水や鼻づまりが逆にひどくなります。また、手術後1~2週間は粘膜にかさぶたが生じ、それにより鼻づまりが助長されることもあります。
しかし、こうした状態はあくまで一時的なもので、1週間を過ぎて以降は次第に落ち着きを取り戻し、個人差はあるもののやがて3週間程度で傷やかさぶたなども解消される場合がほとんどです。