鼻づまりは、空気の通り道である鼻腔がふさがって起こります。アレルギー性鼻炎によるものがどの世代でも多くなっており、乳児期のアデノイド、大人の肥厚性鼻炎や鼻中隔弯曲症、副鼻腔炎が続きます。
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目安として、症状により疑われる疾患は以下の通りです。
耳鼻咽喉科で専門的な検査や診療を受け、適切な治療を受けることが重要です。
鼻づまりの診療では、問診と視診に加え、レントゲン検査やCT検査、血液検査、ファイバースコープや電子スコープによる検査などを必要に応じて行い、原因を見極めて、患者さんと相談しながら適切な治療を行っていきます。
基本的に処置とネブライザーによる治療、内服薬や点鼻薬の処方といた保存的両方を行います。検査によって手術以外では改善が見込めないとわかった場合や、保存的両方では思うような治療効果が得られない際には、手術を検討します。また、再発を繰り返している方で、根本的な治療をご希望される方や、お薬をできるだけ飲みたくないとお考えの方にも手術をおすすめすることがあります。
霧状になった薬剤をコンプレッサーで鼻腔のすみずみまで届ける治療機器です。鼻腔をきれいに清掃する処置をした後で行いますので、点鼻薬を使うより高い効果が見込めます。
処置とネブライザーによる治療
鼻汁を吸引して鼻内を清掃した上で、ステロイドや抗ヒスタミン剤をネブライザーですみずみまで届けます。
鼻づまりに効果的なアレルギー治療薬である抗ロイコトリエン薬、抗トロンボキサンA2薬を使用します。数週間以上、指示通りに服用することで会z年していきます。
ステロイドの点鼻液を使用しますが、点鼻薬の場合、ほとんど副作用の心配がありません。ステロイドには抵抗を感じる方が多いのですが、むしろ血管収縮剤の点鼻液の方が常用による悪影響は遙かに大きく、薬剤性鼻炎は血管収縮剤の点鼻液によって起こっています。
こうした保存的療法で思うような効果が現れない場合には、手術を検討します。
保存的療法ではアレルギーが根本的に治るわけではないため、治療を受け続ける必要があります。そこで当院では、再発と治療を繰り返し、根本的な解決を望まれる方にも手術をおすすめしています。
一般的な鼻腔粘膜焼灼術を選択します。
鼻汁を吸引して鼻内を清掃した上で、ステロイドや抗生物質をネブライザーですみずみまで届けます。肥厚性鼻炎による鼻づまりの場合、効果にかなり個人差があります。
粘膜の一時的な腫れには、抗炎症剤を内服することで効果が期待できます。
必要があればステロイドの点鼻液を使用し、鼻づまりを一時的に解消できます。ステロイドには副鼻腔炎による炎症を抑える強力な作用があり、ある程度の効果が期待できます。
こうした保存的療法で思うような効果が現れない場合には、手術を検討します。
再発と治療を繰り返し、根本的な解決を望まれる方にも手術をおすすめしています。
副鼻腔炎の炎症に関しては鼻内副鼻腔手術を行いますが、必要に応じて鼻粘膜焼灼や粘膜下鼻甲介骨切除を同時に行うことで鼻腔内の空気の流れを改善させます。
骨や軟骨の形状によって鼻づまり起こっているため、薬や処置で治すことができません。改善のためには手術が不可欠です。なお、成長期の場合、鼻の成長に影響を与える可能性があるため、19歳以上になってからの手術となります。
鼻汁を吸引して鼻内を清掃した上で、ステロイドや抗生物質をネブライザーですみずみまで届けます。炎症を抑える効果はある程度期待できますが、鼻茸をなくす効果までは期待できません。
服薬によって鼻茸が縮小するケースもありますが、確実性の高い方法ではありません。副鼻腔炎の内服薬であるマクロライド系抗生物質、抗炎症剤などを数ヶ月服用します。
こうした保存的療法で思うような効果が現れない場合には、手術を検討します。
鼻茸だけ切除する場合もありますが、症状や病態により副鼻腔炎などの手術と鼻茸切除を同時に行う場合もあります。
アデノイドは2~3歳くらいから大きくなっていき、5~6歳頃にピークを迎えた後、成長に伴って徐々に縮小していきます。ただし、個人差があって、中には成長してもほとんど縮小しないケースも存在します。
手術が検討されるのは、幼児期のアデノイドで縮小の時期を待てないほど強い鼻づまりがある場合、中耳へ悪影響を及ぼす可能性があるケース、また睡眠時無呼吸症候群の原因と考えられる時などがあります。
血管収縮剤の成分が入った点鼻液は鼻づまりをすぐに解消してくれますが、これを常用していると鼻粘膜が肥厚し、薬剤性鼻炎を起こして頑固な鼻づまりになってしまいます。即効性があるからと使い続けることは絶対にやめてください。ステロイドを敬遠する方が多いのですが、鼻粘膜にはストロイドの悪影響がほとんど現れないため、むしろステロイドの点鼻薬の方がはるかに安全です。
血管収縮剤が入った点鼻液の使用を中止することが治療の基本です。鼻粘膜の肥厚がひどい場合には、肥厚性鼻炎の手術が必要になってきます。
妊娠していると血液量が増え、後期にはかなりの量に増加し、毛細血管を広げます。鼻の粘膜には毛細血管がたくさんあるため、ここが晴れて鼻づまりを起こします。もともと花粉症などのアレルギー性鼻炎を持っている方が妊娠すると、特に症状が強くなります。出産後は血液量が通常に戻るため、鼻粘膜の腫れはすぐに引いていきます。
できるだけ薬に頼らない治療が望ましい時期なので、点鼻薬やクリニックでの処置が治療の中心になります。そのため、花粉症などの症状がある程度強く、妊娠を考えている方には、手術を先に受けておくことをおすすめしています。
食事中にむせて鼻腔内に米粒などが入ってしまうことによって炎症が起こる場合もありますが、注意が必要なのは幼児の鼻内異物です。幼い子どもは驚くようなものを鼻に詰めてしまうことがしばしばあり、取ろうとして奥に押し込んでしまうこともよくあります。鼻をしきりに触っていたり、青っぽい鼻水が出るようでしたら、早めに受診しましょう。
治療は異物を出す処置が中心ですが、炎症の程度により抗菌剤などの内服も必要になります。
腫瘍は薬剤や処置などでなくなることはないため、手術が必要です。
頻度の低い疾患で、10歳代の発症が多いためこの名前がついています。性別では男性が多くなっています。この疾患により鼻出血が続くことがあり、全身管理が可能な高度医療機関に入院して治療を受ける必要があります。
鼻や副鼻腔にがんができることは極めてまれですが存在します。鼻づまりや鼻血の原因になっていることもあるため、注意が必要です。全身管理が可能な高度医療機関に入院して治療を受ける必要があります。
鼻水はウイルスや細菌から守る役割を持っており、基本的には無色透明ですが、炎症などによって色がつく場合があります。
細菌やウイルスの感染が考えられます。花粉症をはじめとするアレルギー性鼻炎では、粘度の少ない鼻水が大量に出ることが多くなっています。
鼻血や炎症による出血が起こっている可能性があります。黒に近い褐色になることもあります。
青みがかった鼻水は、タンパク質不足や鼻に異物が入って炎症を起こした際に出ることがあります。
体内に侵入した細菌やウイルスを排除するために働いた白血球や免疫細胞によって鼻水が黄色っぽい色になっています。
発熱など他の症状がない場合には、ほとんどが鼻炎や副鼻腔炎によって黄色い鼻水が出ていると考えられます。なお、風邪が治りかけた時に黄色い鼻水が出ている場合は、短期間で改善するので心配いりません。
副鼻腔の炎症によって副鼻腔に膿が溜まる病気で、黄色い鼻水という症状があたわれる疾患の中では重症化の可能性がありますので注意が必要です。ウイルスや細菌が感染して起こる急性副鼻腔炎と、急性鼻炎やアレルギー性鼻炎が慢性化した慢性副鼻腔炎、難治性の好酸球副鼻腔炎があります。慢性副鼻腔炎は一般的に「蓄膿症」と呼ばれています。他にもさまざまな種類があるため、別に詳しく解説しています。
無色透明な鼻水がアレルギー性鼻炎の特徴のひとつですが、悪化した際に鼻水が黄色っぽくなるケースがあります。症状の変化を知るために、鼻水の色をチェックしましょう。
ウイルスや細菌の感染による急性鼻炎が起こり、そこから発症します。体調不良や疲労などによる免疫力低下により急性副鼻腔炎を発症する場合があります。
副鼻腔炎の症状が慢性化し、副鼻腔の広い範囲に膿がたまりやすくなります。、頭痛や嗅覚(きゅうかく)低下といった症状が現れることもあります。
アレルギー体質によって起こってると考えられている副鼻腔炎です。喘息を伴っている場合が多く、詳しい原因は未だ解明されていません。嗅覚障害や聴力障害(好酸球性中耳炎)といった症状を起こす場合があるため注意が必要です。好酸球副鼻腔炎は治すのが難しく、難病医療費助成制度の対象疾患です。
カビ(真菌)が原因となった副鼻腔炎です。片方だけに起こるケースが多く、黄色い鼻水に加えて頭痛や嗅覚障害などの症状が現れる場合もあります。真菌ですので細菌に効果のある抗生物質では治療効果がありません。糖尿病や悪性腫瘍があると発症リスクが高まりますので、症状に気付いたらできるだけ早く受診してください。
生活改善と経過観察で治るものと、耳鼻咽喉科の専門的な治療や手術が必要なものがあります。これを判断するのは専門家でなければ難しいため、黄色い鼻水の症状があったら耳鼻咽喉科を受診してください。
基本的には内服薬や点鼻薬の処方、洗浄やネブライザーによる治療といった保存的療法が行われますが、黄色い鼻水が出ている場合はかなり悪化している可能性があります。そのため、原因となる部分を切除する手術が適している場合もあります。根本的な鼻づまり解消のために、粘膜自体を減らす鼻腔粘膜焼灼術、粘膜の奥にある骨を削る粘膜下下鼻甲介骨切除術、アレルギー反応に関与する後鼻神経の凍結術や切断術などから最適な手術を検討します。より効果を高めるために、2種類の手術を同時に行う日帰り手術なども可能です。
風邪や疲労など、免疫力が落ちているときにかかりやすくなっています。耳鼻咽喉科では鼻づまりへの処置やネブライザーによる治療が受けられますので、不快な症状を軽減できます。あとは、安静を保ち、疲労を回復して自然な改善を待ちます。
慢性的に炎症が起きているため膿汁が副鼻腔内に溜まり、頭痛などの症状が現れる場合もあります。生活の質を著しく低下させるため、黄色い鼻水が1ヶ月以上続くようでしたら、耳鼻咽喉科で検査を受けてください。重い症状により日常生活に支障が出てきている方には、鼻内副鼻腔手術による根本的な症状の解消をおすすめしています。手術には鼻粘膜焼灼や粘膜下鼻甲介骨切除があり、症状や状態に合わせて必要な手術を検討します。
好酸球副鼻腔炎は治すのが難しく、難病医療費助成制度の対象疾患になっています。喘息を伴っている場合が多く、アレルギー体質によって起こると見られていますが、はっきりした原因はまだわかっていません。嗅覚障害や聴力障害(好酸球性中耳炎)といった症状を起こす場合があるため注意が必要です。鼻茸が大きくなり鼻腔を周匝でいるケースもあり、その際には切除手術が必要になります。
カビ(真菌)が原因で起こる副鼻腔炎で、細菌感染ではないため抗生物質が効きません。ほとんどの場合、手術により真菌を取り除く必要があります。
胡椒など、刺激の強いものを吸い込んだときに出るイメージが強いくしゃみですが、風邪やアレルギー性鼻炎の症状であり、繰り返すと鼻や耳にダメージが蓄積されて疾患の原因になる場合もあります。骨粗しょう症の場合、くしゃみで骨折するケースもありますので注意が必要です。
呼吸時に吸い込んだスパイスの粉や小さなホコリなどが鼻粘膜を刺激して出るくしゃみです。体外に異物を排出するための正常な反応であり、ある程度の時間が経過したら落ち着くようでしたら心配はありません。
体内に侵入した異物であるウイルスを排除しるために、くしゃみを起こします。くしゃみだけでなく、発熱や喉の痛み、頭痛なども起こります。風邪が長引くと中耳炎のリスクが上昇するため、風邪によるくしゃみや鼻づまりが続く場合には、内科だけでなく耳鼻咽喉科も受診してください。
熱や喉の痛みがなく、くしゃみや水のような鼻水が続く場合、アレルギー性鼻炎の可能性があります。アレルギー性鼻炎には花粉などによる季節性のものと、ハウスダストやペットなどによる通年性のものがあります。季節性のものはスギによる花粉症が有名ですが、夏や秋に咲く花の花粉で起こる場合もあります。
寒冷刺激によってくしゃみがでる症状で、血管運動性鼻炎と呼ばれる場合もあります。多くは、暖かい室内から寒い戸外に出た時にくしゃみが起こります。
朝、目が覚めた時の鼻づまりやくしゃみ、鼻水がとまらない症状はモーニングアタックと呼ばれています。起床時に自律神経のバランスが乱れることから起こるとされており、鼻炎やアレルギー性鼻炎の方によく起こる症状です。
リラックス時や睡眠中に働く副交感神経から、活動時に働く交感神経に自律神経が切り替わる際に起こります。一時的な現象であり、交換神経に切り替わると血管が収縮し、くしゃみや鼻水を抑えられるようになります。
まずは風邪をしっかり治すことを心がけてください。くしゃみをできるだけおさえるためには、室温を25度程度に保ち、加湿器を使って空気の乾燥を防ぎます。
なお、予防のためにも、温度や湿度を高く保つことは効果的です。
アレルギー反応を起こすアレルゲンを突き止め、それを除去することが一番効果的です。
ハウスダストやダニなどがアレルゲンの場合には、こまめに部屋を掃除し、部屋にぬいぐるみなどの布製品を置かないようにしてください。布製のカーペットやソファーを避け、ダニの発生を防ぐ布団や布団カバーを使用し、定期的に太陽にしっかり当てて、掃除機で隅々まで吸引します。動物がアレルゲンの場合、寝室にペットを入れないようにするなど居住空間を分けてください。
花粉が原因の場合には、アレルゲンとなっている花粉が飛んでいる時期には外出時にマスクを着用してください。帰宅したら部屋に入る前に衣服に付いている花粉をしっかり払い落とします。花粉症ではない家族が帰宅した際にも、玄関前で衣服をはらってもらいましょう。
耳鼻咽喉科では、内服薬や点鼻薬の処方、洗浄などの処置、ネブライザーによる治療など保存的療法のほか、手術で根本的な原因の解消も可能です。
また、十分な睡眠、栄養バランスのよい食事、適度な運動、ストレスの発散、分煙や禁煙なども症状を抑えるためには有効です。
暖かい部屋から戸外に出る際には、マスクを着用するようにします。また体の冷えも影響を与えるため、寒くない時期でも羽織るものを持つなど、温度調節しやすい衣類を選んで着用してください。
寒暖差アデルギーは手術による症状の緩和も可能ですので、生活に医師症があるなどでお悩みの際には耳鼻咽喉科にご相談ください。
目が覚めたら、しばらく布団の中で指先などを少しずつ動かして交感神経の働きを促進させます。部屋の清掃、高めの温度と湿度を保つこと、マスクの装着などが効果的なケースもよくあります。